LeSS全体像スクリプト
12人から何百人、何千人もの規模に至るまで、様々なチームがLeSSを利用してきました。
そこには様々な挑戦もあり、失敗もありました。
これがLeSSの簡単な全体像です。
まずは、LeSSの核となる10個の原則をみていきましょう。
これらの原則は経験に基づくもの、つまり実験を通して得られた知見です。2005年、クレーグ・ラーマンとバス・ボッデは、大規模なプロダクト開発にアジャイルの手法を適用する実験を始めました。彼らは500回のアジャイルの実験を、最初の著書となる2冊のスケーリングの本にまとめ、その後、実験を継続し、その結果を数年かけてこれらの原則に昇華させました。
「減らせば増える(more with less)」という考え方について、触れていきましょう。
たくさんの別々の役割を作りたいという衝動を抑えることで、より責任感のあるチームが生まれます。
より専門分野に特化したな役職(例えば、アーキテクト、リリース列車エンジニア、多くの様々な中間管理職や、様々な権威職など)を作るということは、しばしば魅力的に見えるものです。ですが、役職者に特定の責任を付与するということは、その責任をチームから取り上げていることでもあるのです。スクラムやLeSSでは、逆に役職の数を減らします。責任の分断を減らすことでチームの自律が促進され、結果的には柔軟性のあるシンプルな組織へとつながります。
チーム内や顧客との間に、アーチファクト、引き継ぎの業務、手の込んだツールなどが少なければ少ないほど、連携は上手くいきます。求めているものは、顧客のニーズに合った、機能するプロダクトであって、中間生産物ではないのです。
面倒なプロセスが少ないほど、より楽しく、より多くを学ぶことができます。
大きな企業はこの点を間違えがちです。LeSSでは、順応性の高い組織のデザインは現在のお客様の組織のデザインとは異なる、ということを明示しています。
その他のLeSSの中核的原則を学ぶ方法は、いくつかあります。
LeSSのフレームワークは「プロダクト全体思考及び経験的プロセス制御のために必要最小限のもの」です。スクラムやチェスのように、LeSSとは、過剰なプロセスを避けるための「最小限」のシンプルなルールなのです。
基本的なLeSSのフレームワークは、2つから概ね8つ(50人)程度のチームに適しています。LeSS Hugeの場合は8つ以上のチーム、時には巨大なプロダクト開発を行う数千のチームが使うこともできます。
全てのLeSSチームが、毎スプリント、統合された出荷可能なプロダクトを1つ作ります。
大規模スクラムは「スクラム」であって、従来型の厚いマネージメント層の下に置かれるものではありません。
繰り返しますが、LeSSのフレームワークは、プロダクト全体思考及び経験的プロセス制御のために必要最小限のものです。
チームが力を注ぐ対象は実際の顧客です。
『ガイド』
ほとんどの会社にとって、真のアジリティに到達するのは簡単な道のりではありません。そこで、3冊目の本では「ガイド」が示されました。ガイドとは、ほとんどの場合に有用な、力のこもった勧告やヒントであって、ルールではありません。例としては、次のようなトピックがあります。8チーム以下の場合にどのように始めるか。8チーム以上の場合にはどのような弊害が起こる可能性があるのか、特に、複数チームでのプロダクトバックログリファインメントをどうするか、1スプリントには一見大きすぎる要求事項をどうやって分割するか、どうやって正気を保つか、等です。
『実験』
LeSSは、スクラムとアジリティの実験から始まり、ここでお話しした全ての内容を含むものに発展しました。はじめの2冊の本は数百もの実験を解説した分厚い本ですが、その内容にはみなさんの環境で有用なものも、そうでないものもあるでしょう。
3冊目の本には、ガイド、フレームワークのルールや原則が書かれているので、まずはこれからお読みください。
私は、Odd-e JapanニーのMJです。私がサービスを提供するほとんどの会社では、スクラムで得られるはずのアジリティを達成するためには、根本的な組織のデザインをLeSSに変える必要があります。それが、この動画を作った理由です。
- GROOVE X社のCEOによるキーノート・スピーチ – こちらが、マネージャー不在の自己マネージチームによりゼロから立ち上げられた会社の興味深い一例です。CEOの林要(はやしかなめ)氏がプロダクトオーナーで、中間にチームアウトプットオーナーは存在していません。なおGROOVE X社は 榎本明仁氏 やこの分野に精通したスクラム・マスターにコーチングされています。
- GROOVE XがどうLeSSを活用しているか.