シーン3A: プロダクトオーナーの役割を誤解すると、顧客からのフィードバックがどのように遅れることになるでしょうか?

page 7 page 8 page 9 page 10 真のスクラムチームであれば、スプリント毎に、出荷できる状態のプロダクト開発を目指すものだ。そして、顧客の真のニーズをより早く学ぶことができる。

大きな組織のチームは、エンドツーエンドでも顧客志向でもないコンポーネントだけを作る場合がある。 チームが、広い視点のビジネス目標ではなく中間管理職の内部目標に集中してしまった結果、チームのアウトプット向上を目標に据えてしまうことがある。 それは「ベロシティ」といった形で測定されることがある。

しかしその後、各チームの開発したコンポーネントがお互いにかみ合わなかったらどうなるだろうか。 時に人は、チームというものはアウトプット向上に集中すべきだと考えてしまう。そして、ベロシティなどのわかりやすい指標に振り回されやすい。 しかし全体的にみれば、それによってインテグレーションが難しくなるし、顧客の反応が返ってくるのも遅くなる。 チームの成果物を、出荷までにさらに別のものと結合しないといけないとなると、顧客のフィードバックから学び、軌道修正するには一層時間がかかってしまう。 サービス提供側のさまざまな内部目標に集中するほど、ビジネス目標やプロダクト全体思考から遠ざかることになる。 顧客までの価値提供サイクルが長引けば、その分アジリティは減少する。